僕が剣道を始めて半年以上が経った頃、ついに防具を付けて稽古に挑むことになりました。
ちなみに剣道を辞めるなら面などの防具をまだ揃えていないこのときです(笑)。防具を揃えてしまったら、揃えた高価な防具がもったいなく辞めれません(^^)。
というわけで、僕のために新品を買い揃えちゃった両親も後に引けなくなってしまいました。親も「これで簡単には辞めさせられないぞ・・」と思っていたかもしれませんね(^_^)。
さて、これから僕たちは防具を付けて本格的な稽古がはじまるのですが、防具を付けるというのは、『相手を打つ』と『相手に打たれる』ことが当然あります。打たれても怪我が無いように防具があるんですね。
僕たちはここで初めて、『相手のいる剣道』ということを教わります。相手と打ち合えるのが本来の剣道なのですね。もちろん、まだ始めた頃は、僕たちが面や小手などを打ちやすいように、先生は腰を下げて打たせてくれます。まず、僕たちがしっかり打てるようになることが大事なので、先生も丁寧に指導してくださるのです。
しかし、当然真剣の場の剣道では相手から打ちやすいように、隙を与えてはくれません。例えば試合がそうですね。試合では隙を与えてくれないどころか、相手もこちらを打ってやろうと狙っているのです。僕たちはそういった相手がいることが前提で、稽古をしているのです。
僕たちは防具を付け始めた頃から、相手がいてこそ剣道があるんだということを含め、いろいろ教わったと思います。
まだ、防具を付けての稽古に慣れていない頃のことです。先生が何の忠告もなしに、僕たちを打ってきたことがありました。剣道では打たれるというのは当たり前のことなのですが、打たれたのはその時が初めてだったんですよね。その時僕は当惑しました。突然のことだったので、何がなんだかわかんなくなってました。
みんなも今までになかったことなので同じく当惑していました。中には泣きそうな子もいました。
そして、先生は「打たれてどうやった?」と聞いてきます。その中の一人が「びっくりしました。あと・・痛かったです。」と答えると、先生はニコッとして
「そうだろう。痛いだろ?竹刀で打たれると痛いんだよ。自分も痛かったら相手も当然打たれたら痛いんだよ。だから相手に思いやりを持って、相手と正々堂々と剣道をしような。」と僕たちに『打つこと・打たれること』を教えてくれました。
この時期は剣道に対することを色々と教えてもらったような気がします。特に、突然打たれたことが印象的でこれははっきりと記憶に残ってます。
先程言ったように、剣道は打った・打たれただけではありません。その中には『人』が入っているのですね。人が打ち、人に打たれるのです。その中に相手を尊重する思いがなければ剣道ではありません。打つほうにも打たれるほうにもそこに人がいるから、剣道って奥が深いものなのかもしれませんね。
僕たちはこうして剣道とはどういうものかということを稽古の中で教わりました。もちろん、これからも稽古で徐々に教わっていくというわけです。
つづく。

88×31
200×58